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OTRAG ロケットは1970年代から80年代にかけてOTRAG社によって設計されたモジュラー式の人工衛星打ち上げロケットである。 OTRAGロケットは複数の大量生産されたユニットを組み合わせて出来ており、1~10トン或いはそれ以上の衛星を軌道に投入する事を目的としていた。大量生産によって類似の打ち上げ能力を有する従来型のロケットの10分の一の費用を目指していた。 == 設計 == CRPU (Common Rocket Propulsion Unit)を組み合わせる事によって多様なOTRAGロケットを製造する事ができた。観測ロケットには4本或いはそれ以上のCRPUを並列に束ねる予定で上部に積載物を備える構造だった。軌道投入用のロケットは積載物の重量に応じて数10本から100本のCRPUを使用する予定だった。ロケットの段に相当するのは燃焼後のCRPUを外側から切り離し、内側のCRPUは積載物と共に飛行を続ける。 CRPUは実質的には短い管で連結された直径27cm、全長16mの鋼管だった。CRPUは鏡板間に固定用の環を追加したアルミ製の鏡板によって内部が3分割された。前方の管内は主に硝酸と四酸化二窒素の混合物による酸化剤で満たされていた。次の区画は燃料であるケロシン(灯油)で満たされていた。これはロケットの燃料用として精製された高価なRP-1ではなく、市販の灯油だった。最後の区画はエンジンが備えられた。燃料の配管はケロシンの周囲に硝酸を送りエンジンへ入れる。 CRPUの設計はすこぶる単純だった。管は推進剤を加圧によって供給する為に十分な強度を備えていた。これによってターボポンプが不要になった。エンジンはアブレーション冷却を採用した事によって再生冷却や耐熱性ケロシンを不要にした。エンジンはジンバルによる角度調整が出来ないものだったが、代わりに対角線方向のCRPUの推力を変えることによって行った。そのため、エンジンは管の内壁内に納まるように機構は出力調整弁のみで単純に製造された。分離されない加圧装置が搭載され、タンクは数百psiのガスが利用可能だった。細い管なので区画間の鏡板は他のロケットのようなドーム状ではなく単純な平板だった。点火装置は備えられず、代わりにフルフリルアルコールをケロシンよりも先に噴射した。フルフリルアルコールは硝酸と接触するだけで着火する。 管の直径が小さかったので圧力隔壁は通常のロケットのようなドーム状ではなく平らな板が使用された。点火装置は無く、硝酸と接触するだけで着火する自己着火性のフルフリルアルコールを灯油の供給前に噴射した。 アブレーション冷却の使用、高圧鋼鉄構造体によって空洞が大幅に少なく、それはとりもなおさずCRPUは重く、低性能を意味した。管の直径が同様にエンジンの直径を厳しく制限した事によって上段に高効率の高膨張ノズルの使用が出来なかった。しかしながらCRPUは3段で軌道に投入する予定だった。とどのつまり規模の経済によって廉価なそれぞれのCRPUは年間100基、或いは可能であれば1000基以上生産することによって既存のロケットよりも安く打ち上げることを企図していた。さらに多数の小型のエンジンを個別に燃焼することによって高信頼性と冗長性を与えられると予想された。 会社の基本的な打ち上げ設計は1トンを軌道に投入すると主張された。予想では3段目が4基のCRUP、その周囲に2段目が12基のCRUP、その周りを囲むように1段目が48基のCRUPで構成されていた。より大型の打ち上げ機では重量物の打ち上げに可能であれば数100基のCRPUを使用すると予想された。 会社の見通しではCRPUは徐々に安くなる事を見込んでいて、回収と再整備式打ち上げ機は単純なユニットを製造する事に勝らないという見通しだった。貯蔵可能な推進剤と少数の作動部品により射場での運用も同様にとても簡略化される事が予定された。これらの利点は低比推力と打ち上げ重量効率の欠点を補って余りあると期待された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「OTRAG (ロケット)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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